ライカM3。後期型のシングルストローク。製造番号は105万台、1962年製。ライツの製品コードはIGEMO。
1954年登場のライカM3は、素早いレンズ交換と確実な固定を約束するライカMマウント、距離計内蔵型の見え味素晴らしいレンジファインダー、機能美として完成されたデザイン、安定した動作を確保する堅牢なボディ、他社の追随を許さない質感高過ぎる造りによって、ライツの黄金時代を築いたカメラ。この後期型は前期型が抱えていたマイナーな欠点を改善し、シングルストロークという一般的な巻き上げ操作も可能になったモデルです。
ライカM3を始祖に、M2、M4、M5、M6、M7、M8、M9、M10、M11とモデルが下っていきますが、見た瞬間にライカMと分かるその姿はこのライカM3に全てのエッセンスが集約されています。
50mmレンズを使用するのであれば、今なおM3がベストモデルと呼ばれるのは、比類無きファインダーの素晴らしさが故でしょう。
トップカバーや底蓋には、使用に伴う軽微な擦れ傷が見られますが、アタリや目立った傷は見られません。グッタペルカや各部のパーツは当時のオリジナルです。
2024年8月に専門業者にてOH済。巻き上げやシャッターダイヤルなど、各部の操作感滑らかに仕上がっています。
ファインダープリズムの周辺部には、M3定番のバル切れがわずかに見られますが、見え味はクリアー。実用にちょうど良い、使い頃の一台です。