ヘキサノン 60mm f1.2、オリジナル・ライカスクリューマウント。
名門・小西六写真工業が1955年に発売した、渾身のハイスピードレンズ。設計者は風巻友一氏。空気層を採用した6群8枚構成。戦後日本カメラ史を語る上でも重要な一本。
生産本数は多く見積もっても300本程度の稀少玉。1950年代半ば、突如として出現した、f1近傍クラス、*国産大口径レンズ四天王の一角です。
販売当初は専用フード、ファインダー、フィルター3枚と一緒にセットケースに収まっており、1958年の新品定価は78,000円。
ちなみに同年、フジノン 50mm f1.2は75,000円(フード付)、ズノー 50mm f1.1は95,000円!でした(フード別売)。
*ズノー 50mm f1.1、ニッコール 50mm f1.1、フジノン 50mm f1.2、ヘキサノン 60mm f1.2の4本を、当店では勝手に四天王と呼んでいます。
往年かなり愛用されていたようで、小傷や擦れ、塗装落ちが各部に見られます。アタリや目立つような傷は見られません。
2025年にオーバーホール済。絞り、ヘリコイドの動作はスムーズです。
最短撮影距離の3.5feet(1メートル)付近で2cmほど後ピンですが、あとは距離計連動バッチリ。また、当店のライカM240では、無限遠で距離計二重像がごく僅かに行き過ぎますが、M10-Pではきちんと合致します。
レンズ前玉には拭きキズとコーティング傷みが多めに見られますが、中玉のコンディションはヘキサノンとしてはかなり良い方です。各面のコーティングもしっかり残っています。
実写結果大変良好でした。試写館に作例を掲載しました。ヘキサノンならではの独特の光彩、開放からしっかりとしたピント面と美しいボケが楽しめました。試写館をご覧頂ければ幸いです。
非純正品ですが、使い勝手の良いフードが付属します。