英国クック&パーキンス製のマウントアダプター。本品はシリーズ1と呼ばれるタイプと思われ、レンジファインダー・コンタックスの50mm内爪マウントレンズをライカLマウントに変換します。距離計連動。クローム仕上げ。当然ながら距離表記はfeet。最短撮影距離は3.5フィート(1m)。
優秀なコンタックス用ゾナーやテッサーレンズを、ライカでも使いたいと言う要望は当時から多くあったようですが、私共が知る限り、製品としてのマウント変換アダプターはこのCook&Perkins製が最初のもの。
この点でも歴史的に貴重なアダプターで、昔からコレクターアイテムとして珍重されてきました。
しかしながらその知名度の割には出現頻度が低く、戦前から戦後にかけて少数が製造されていたと思われます。形状のバリエーションは数種あり、この内爪専用のタイプの他に、外爪マウントにも対応するものもあり、シリーズ3Aまでが知られています。
この個体は1940〜50年代頃の製造と思われ、どことなく英国のライカコピー機、リード III型とも近いクロームメッキの質感です。
使用感ほとんど見られず、とても綺麗な外観です。往時の新品の雰囲気を残しています。
2025年5月にOH済。ヘリコイド部の操作感滑らかに仕上がっていますが、構造上、距離計連動カムが分厚過ぎるため抵抗が大きく、カメラに装着すると動きにやや重さが感じられます。
コンタックス用ゾナーやテッサーで、装着/実写テスト済。近接側は距離計連動バッチリ。5m以降〜無限遠はごくわずかに前ピン傾向が感じられますが、一段も絞れば被写界深度に入ります。
全体的に華奢な作りのため、レンズやボディを強い力を掛けて脱着することは避けてください。アダプターに歪みが生じる懸念があります。
このアダプターを手本に、後年のオリオンリングなども作られたと思われる、歴史的にも貴重なアクセサリー。
珍品。コレクションにも。