珍品、オリオン・リング。
ニコンSマウントのレンズを、ライカスクリューマウントに変換するアダプター。カプラーとも呼ばれます。距離表示はfeet。最短撮影距離は3.5feet(1m)です。
後にミランダカメラとなるオリオン精機を設立した萩原彰氏が、大学で1年後輩だった大塚晋太郎氏との共同作業により開発した、記念すべき製品第1号。当時大変に評判となったようですが、現存数は非常に少なく、一時は幻とも言われていました。
このカプラーの成功の後、ライカ用小型ミラーボックス「Mirax(ミラックス)」、4群4枚構成のSupreme(スープリーム) 100mm f2.8などを発売した後、試作品のPhenix(フェニックス)を経て日本初のペンタプリズム式35mm一眼レフ、ミランダ Tを発売、ミランダの歴史がスタートします。
参考:クラシックカメラ専科 No.64 「ミランダの系譜」
マウント面付近の外周部に傷が2箇所見られますが、他は全体的に使用感は少なく、綺麗めなコンディション。
2025年5月にOH済。ヘリコイドの動き大変滑らかです。アダプター内側の内面反射防止艶消しラッカーも丁寧に塗り直されています。
当店のニッコール 50mm f1.4等で実写テストを行いましたが、全域で距離計連動バッチリでした。当時好評を博した理由もよ〜く分かる、出来の良さ。どなたかこのまま作って頂けませんか(笑)
珍品。