フジノン 50mm f1.2、ライカ・スクリューマウント。1954年発売。シリアル番号は、5006xx。
最初期の白鏡胴モデルに続き、本品はアルミを多用した後期型・黒鏡胴。feet表記。新種ガラスを多用した、4群8枚構成の変形ゾナータイプ。フィルター径は58mm。本体のみの重量は404g。
国産大口径レンズ競争の真っ只中に登場したレンズで、ズノー 50mm f1.1、ヘキサノン 60mm f1.2、ニッコール 50mm f1.1と並び、当店では勝手に四天王と命名(笑)
フジノン f1.2は最初期の白、後期型の黒と合わせても800本程度の製造でしょうか。他の国産超大口径と比較すれば本数はやや多い方ですが、年々良い物は少なくなってきました。
ちなみに昭和33年(1958年)の定価は75,000円。フジノン三兄弟の35mm f2は45,000円、100mm f2は35,000円でした。
ヘリコイドリングや絞りリングに黒塗装落ちや擦れが少々見られます。他は綺麗な外観です。アタリや凹みはありません。
2025年4月にフルOH済。鏡胴の付け根にあるフジノンのやや操作しにくいヘリコイドをはじめ、絞りリングもスルスルと滑らかに動き、ストレス無しで大口径レンズのシビアなピント合わせを楽しめます。近接域から無限遠まで距離計連動もバッチリ。
レンズは前玉の真ん中付近に僅かな擦れが見られますが、実写にはまず影響無いでしょう。他、目立った拭きキズやクモリは見られず、スカッとクリアなガラスです。
純正前キャップ、後キャップ、フィルターを抑えるリングは付属しませんがフィルターリング兼フード、Kenkoの58mmUVフィルターが付属します。