アンジェニュー 28mm f3.5 Type R11、ライカ・スクリューマウント。絞りやヘリコイドリングのローレットの刻みが太くなった後期型。
フランス、P.Angenieux社製。1957年の製造。距離計連動。meter表記。レトロフォーカスタイプの6群6枚構成。パープル系の美しいコーティングです。
レトロフォーカス設計らしい、レンズ先端が大きく、くびれのある独特のデザイン。一目でアンジェニューと判る、藍色のアルミアルマイト地と梨地クロームのローレットのツートンが洒脱なデザイン。流石のフランス製。
Lマウントのアンジェ 28mmは生産本数が少なく、なかなかのレア玉。
独特なスタイリングは、バルナックライカはもとより、ブラックペイントやデジタルM型に装着しても良く似合います。時代を超えた優れたデザイン。
ちなみにこのType R11のフィルター径は、前期型が56mm、後期型が58mmと異なり、世のアンジェユーザーを惑わせます(私たちも右往左往です)。稀少品。
ダークブルーのアルマイト部には褪色、擦れ傷、小傷などかなりの使用感がありますが、アタリや凹みは見られません。全体的には良い雰囲気。鏡胴先端部には小さなアタリが2箇所ほどありますが、修正されておりフィルターは問題無く装着可能です。
2024年12月にフルOH済。絞り、ヘリコイドの操作感は程よいトルク感を伴った滑らかさに仕上がっています。無限遠では二重像がごくわずかに行き過ぎますが、距離計連動はバッチリですのでオリジナルのままとしています。
前玉に軽微な線状の拭きキズ、レンズ各面には軽微なコーティングの傷みが見られますが、撮影への影響は見られないでしょう。
試写館に作例を掲載しました。順光、逆光、カラー、モノクロームとバリエーションを持って撮影をしています。開放付近の周辺落ちとシャキッとしたピント描写が気持ち良いレンズ。
シネマ用と思われる純正前キャップ、宮崎光学さんのMS-F M58.5フード、保護フィルター、社外品のリヤキャップが付属。すぐに撮影に持ち出せるセットです。