アンジェニュー 28mm f3.5 Type R11。1953年製。鏡胴の3本の銀色バンドがアクセント、本品はローレットの刻みが細かいR11前期型。レトロフォーカス・タイプの6群6枚構成。エキサクタマウント。プリセット絞り。フィート表記。最短撮影距離は2feet。
なお、R11は前期と後期でフィルター径が異なり、前期は56mm、後期は58mmです。
一目でアンジェニューとわかる端正な鏡胴デザイン。この前期型は後期型と比べフィルター径がやや小さく、すっきりコンパクトな印象です。描写は、絞り開放付近での穏やかさと、絞り込んだ時のほど良いシャープさのいずれも素晴らしいものがあります。
比較的逆光にも強く、階調豊かでなかなか緻密な描写が持ち味。赤系の発色の良さでも定評があるレンズです。
アルミ製の純正前キャップが付属。
軽微な擦れは見られますが、全体的に綺麗な外観です。黒塗装もしっかりと残っています。
2024年4月にフルOH済。絞り、ヘリコイドの操作感滑らかに仕上がっています。
ガラスには拭き傷が少々と、強いLED光にかざしてやっと見える程度の軽微なコーティングの傷みが見られます。撮影への影響はまず見られないでしょう。使い込まれた個体が多いR11前期としては、かなり良いコンディションです。