ズマール 5cm f2、固定鏡胴。通称ひょっとこズマール。ズマールの初期に少数製造された稀少品。ニッケル鏡胴。製造番号は19万台、発売初年度の1933年製。3番目のロットです。ライツの製品コードはSUMAR。距離表記はmeter。前玉と後玉の3面に、後年ライツで施されたと思われるコーティングが残っています。
ひょっとこズマールは、その特徴的なスタイルと希少性から昔から珍重されて来ました。また、黒/ニッケルのバルナックに合わせると最高にカッコ良いレンズでもあります。
その一方、ヒョットコズマールはアブないレンズの代表格。ガタつきにより距離計連動がバラついているものや、海外での雑な研磨によりピントや解像力不良の個体が散見されるなど、致命的なトラブルを抱えているケースも多いおっかないレンズです。
ひょっとこを購入の際には、現物を確認し、外観に惑わされずデジタルのライカMで実写テストをされるのが良いでしょう。当店でも仕入れの際には非常に気を使うレンズです。
鏡胴先端に擦れとメッキ落ちが多少見られますが、ヒョットコズマールとしてはなかなか良い外観コンディション。目立つような傷やアタリは見られません。
2026年9月にピント調整を含むフルOH済。各部の操作は、適度なトルク感を伴った心地良い仕上がりです。距離計連動もバッチリ。
傷みがちなひょっとこズマールの前玉ですが、本品は傷も少なく良好な状態です。中玉や後玉にも軽微な拭き傷が見られます。中玉のコーティング傷みのため、薄いクモリが残ります。修理業者さんにはオリジナルのコーティングをできるだけ保持する前提で、クリーニングを施してもらっています。
実写テストでは、晴天の屋外や屋内で光源にレンズを向けた場合に若干のコントラスト低下が感じられます。その一方で、本品は絞り開放から解像感の高いピント描写が得られる個体で、写りの良いズマールならではのキレのある写りと豊かなボケが楽しめます。ヒョットコでも沈胴でも、ガラスが傷んだ個体ばかりのズマールとしては、写りの総合評価としては相対的に上位に位置するズマールと言えるでしょう。
ベークライト製の純正前キャップ、ペイント仕上げの純正リヤキャップ、こちらも時代の合った赤箱が付属します。コレクションにも好適な1本です!