ノクティルクス 50mm f1.0。E58。ライツの製品コードは11821。本品は製造番号291万台、1978年製。ノクチE58の中でも最後の方のロットです。
設計を担当したのは、ズミルクス・スチールリムやズミクロン50mm、ズミクロン35mm 8枚玉、2nd、3rd、エルカン50mmなど数々の銘玉をカナダライツにて生み出した、ウォルター・マンドラー博士。最近、限定復刻モデルとしてリリースされた、Elcan 66mm f2のオリジナルを設計したことでも知られています。
6群7枚構成の変形ガウス型。初代ノクチルクスが採用した非球面レンズを用いることなく、新開発のガラス、空気レンズを採用し、f1.0の明るさを実現。光の乏しい環境であっても素晴らしい作画が得られる、ライツが誇る銘玉の1つとなりました。現代の著名な写真家たちにも愛用されており、E58が生み出す、印象的で美しい作品に憧れる方も少なくないでしょう。
非球面レンズが採用された先代ノクチf1.2に比べると、開放描写の淡さが印象的です。f1.0の被写界深度の浅さは驚くほどで、開放付近では周辺落ちも見られますが、それを活かした撮影の楽しさは唯一無二でしょう。近年の人気急上昇により高価となりましたが、実力を考慮するとその人気にもうなずけるレンズです。
本品は距離計連動調整もしっかり行っており、ビシバシ決まるピントが楽しい一本!
パッと見では新品と見分けが付かないほどの綺麗な外観です。目立ったキズや使用感は見られず、製造から約半世紀が経過しているとは思えません。大切にされてきたことが伺えます。
2026年9月にピント調整を含むフルOH済。絞りリングや距離リングは操作感抜群の仕上がりとなりました。ピント調整もしっかりと追い込まれており、距離計にて絞り開放からピントがバシバシ決まります。それでもピタリと被写体に命中させる難しさは健在です(笑) さすがはf1.0ですね。
なお、本品はピント調整を行ったため、絞り指標(白点)の位置が1cmほど右にズレていますが、オリジナル状態にも戻せますのでご安心を。
整備の際にはオリジナルのコーティングを保持しながら、丁寧なレンズクリーニングを行っています。中玉にはクリーニングでは除去しきれないコーティングの傷みがごくごく薄いクモリとして残りますが、強いLED光にかざしてやっと分かる程度で、撮影への影響はまず見られないでしょう。当店のテスト機、M11、M10-P、M240でみっちり実写テスト済。E58ノクチらしい濃厚な写りを味わえました。
E58ノクチ専用の12519フードが付属します。