ニコンSP オリジナルブラックペイント。621万台の後期型、チタン幕シャッター。ヘリコイドの距離表記はやや少ないmeter。セルフタイマーや底蓋のダイヤルがクロームですが、この番号帯付近から混在します。ボディ各部のペイントの剥げ方を鑑みても、当時からのオリジナルとみて間違い無いでしょう。
1960年代、新聞社付きの報道カメラマンが新品で入手され、往時に大活躍した後も長年所有されていたワンオーナー物件。
使い込まれたSPブラックはかなりの数を見てきましたが、ここまで使い込まれてきた物はお初かも知れません!
長年の使用により、底蓋の黒塗りはほとんど残ってません。距離調節ダイヤルの前面部は中指の腹が当たる場所ですが(エプロンのNikonロゴ付近)、長年の使用で緩やかに凹んでいます。正に身体の一部のような報道向け黒塗りSP。一日に何本フィルムを通したら、ここまで剥げるのか。また、ここまで使い込んでも、整備で完調な状態に戻せるニコンSPのタフさには感銘さえ覚えます。
右側のファインダーはパララクス補正付きで、50/85/105/135mmフレームと距離計像を内蔵し、左側の子ファインダーは、28と35mmに対応します。カラフルなブライトフレーム、片目がファインダーと一体化したような気分になれる等倍ファインダーに心躍ります。
付属のニッコール 28mmも当時からの組み合わせと思われます。ストラパティアがこれほど似合うカメラも無いでしょう!
稀少品。
見事に使い込まれた一台。特にトップカバー背面部や底蓋はブラックペイントや下地まで剥げ落ち、また真鍮地が茶色っぽくなっています。本物感溢れる、実に精悍な佇まい。
底蓋のASA感度ダイヤル近くには軽微なアタリが見られます。他はこれだけ使い込まれたボディながら、凹みや目立ったアタリが見られないのがプロカメラマンらしい使われ方です。
各部の作動快調です。子ファインダーは例によって少々クモリが見られますが、実用には問題ありません。距離計窓いずれも見え味良好で、二重像のコントラストはしっかりしています。メインのファインダーはクリアで見え味も良く、距離計像のコントラストもしっかりしています。
28mmレンズはボディほどは使い込まれていませんが、後玉に白っぽいコーティング傷みと中玉に拭きキズが数本見られます。コチラはオマケとお考えください。
プロ用カメラとしての歴史を感じさせる、貫禄のSPブラック。撮って眺めて、存分にお楽しみください。