ライカ DII。製造番号は9万台の5桁シリアル。シリアル番号からは、本品はDII発売初年度の1932年製造。
ライツの製品コードはLYCANCHROM、後にAIROOCHROM。海外では、モデルDやライカIIとも呼ばれています。
本品は黒塗り&クロームメッキ仕上げで、日本ではセミクロームと呼ばれるモデル。
しかしながら、この番号帯のDIIはまだブラック&ニッケル仕上げの時代で、セミクロームはこの翌年以降に登場して来ると思われます。
あくまで推測とはなりますが、本品は当初ブラック&ニッケルだったと思われますが、セミクローム、もしくはオールクロームが登場した後に、ライカで改造が行われたと推測できます。優しく鈍いニッケルの輝きも良いですが、当時真新しかったクロームの輝きに魅せられた人々も多かったことでしょう。
1930年代は、A型やC型、スタンダードから距離計内蔵モデルのDIIやDIIIに、アップグレードされるケースがかなり多かったようです。本品はトップカバーのダイヤル類やマウントがクロームに変更されていますが、底蓋の開閉ダイヤルはニッケルのまま。全体の雰囲気は合っていますので、当初からこの組み合わせだったのでしょう。稀に見掛ける改造スタイルです。
三脚ネジは大ネジ。A型と同じ大きなシャッターダイヤルが、初期のDIIらしく良き佇まい。DIIは、ライカ初の距離計内蔵モデルであり、ライツの歴史においても画期的な存在です。後継のDIIIと比べると、ストラップ用の吊り環がなく、スローシャッターや視度補正機能も備えていません。しかし、スローダイヤルがない分、しっかりと握れるホールド感や、シンプルで洗練されたデザインなど、ミニマルな機能美が魅力の一台です。
ボディの角部や底蓋には、長年の使用により擦れや真鍮が出ている箇所が見られます。底蓋には遠目には分からない程度のごく僅かな凹み、ごく小さなアタリがありますが、全体的に丁寧に使い込まれてきた雰囲気です。底蓋の開閉ノブはニッケルです。グッタペルカ(貼り革)は補修痕もなく当時のオリジナルのまま。
2026年2月にシャッター幕交換を含むOH済。シャッター音も心地良く、各部の動作快調。ファインダーの見え味も良好で、二重像のコントラストもはっきりしています。
気兼ねなく、快適にお使い頂けるコンディション。これからバンバン使い込んで頂きたい一台です。
純正ボディキャップ付。