報道の現場やプロから高い評価を受けてきた、蛍石(フローライト)採用の大口径望遠レンズ「FL 300mm F2.8 S.S.C.」(1974年2月発売)をベースに、色収差補正を強化し、FDマウントで開放測光と自動絞りに対応させたレンズ。1975年10月発売。
5群6枚構成。絞り羽根は9枚。フード内蔵。最短撮影距離3.5m。F2.8という明るさながら、蛍石と光学ガラスの組み合わせで色収差をしっかり抑え、開放から高解像&高コントラストな描写を実現。キヤノン独自のコーティング技術、Super Spectrum Coating(S.S.C.)処理により、最適なカラーバランスが得られるとされています。
ヘリコイドは新しいベアリング式を採用し、ピント合わせはとても軽くスムーズです。これまで絞り羽根のタイムラグがネックだった大口径望遠の自動絞りも、新設計の絞りユニットでクリア。操作性まできちんと進化させ、新しい望遠レンズとして登場しました。
なお、本品には付属しませんが、専用の2×エクステンダーもFD化され、組み合わせれば「FD 300mm F2.8 S.S.C. フローライト」が「FD 600mm F5.6 S.S.C. フローライト」としても活躍できるよう設計されています。
鏡胴の後端部とフード先端部に、使用に伴う塗料落ちが少々見られますが、全体的には使用感少なく綺麗な外観です。使い込まれた個体が多いサンニッパ・フローライトとしては、かなり綺麗な一本。
各部の操作感スムーズです。ガラスも拭きキズやクモリは見られず、スカッと抜けています。
純正キャップ、105mmのUVフィルター、非純正のキャリーケースが付属。差し込み式のレギュラー1xのフィルターが組み込まれています。