ズマレックス 85mm f1.5。製造番号は82万台。1950年製。ライツの製品コードはSOOCX。ライカLマウント。距離計連動。変形ガウスタイプの5群7枚構成。feet表記。絞り羽根は15枚、美しいボケが期待出来ます。
フィルター径はE58。
ズマレックス 8.5cmは、ライツのスクリューマウント中望遠では最大口径を誇る高速レンズ。凝った造形の専用フードを装着した姿は壮観です。ちなみにズマレックスの初期は、ブラックペイント仕上げで100数十本のみの製造、1948年頃からクローム仕上げとなります。
絞り開放では、かなりソフトで滲んだ描写が楽しめます。歪みの少なさと相まってポートレートに活用したいレンズ。少し絞るだけで解像力はググッと高まり、更に絞り込むとカッチリ引き締まった写りへと豹変します。
距離計連動の精度を保つため、鏡胴の三脚台座が真下に来るL/Mアダプターをお選びください。ライツ純正、もしくはレイクォール製が安心でしょう。
通常使用に伴う、メッキの落ちや擦れ傷が見られます。フードは遠目には目立たない程度ですがごく僅かに歪みがあります。
2025年10月にフルOH済。ズマレックスは絞りやヘリコイドが重くなりがちですが、本品はしっとりと滑らかな感触に仕上がっています。
また、ズマレックスは距離計連動が怪しい個体が多いレンズですが、本品は絞り開放で2mから無限遠まで連動良好です。近接側の指標5〜6フィート(1.5〜1.8m)付近で、3cmほど後ピン傾向です。なお、指標はありませんが、ヘリコイドが回りきった最短側(実測1m)でピントは来ています。
レンズの中玉のコーティングに薄い拭き傷が見られます。また中玉周辺にコーティングの荒れが見られますが、いずれも実写にはまず影響無いでしょう。
実写テスト結果、大変良好でした。試写館に作例を掲載しました。ご覧頂ければ幸いです。全て距離計で撮影しています。
立派な純正フード、社外品の前後キャップが付属します。