ズミクロン 90mm f2 1stの最初期モデル。ライツの製品コードは、SOOZI-M。1957年の登場。
時代はライカMPが登場するなど、ライツ黄金期真っ盛り。製造番号は158万台、1958年製。カナダライツ製造でMidlandが銘打たれています。5群6枚構成。feet表記。最短撮影距離は3.5feet(1m)。ガラスがタップリ詰まった、しっかりとした鏡胴は単体で794gと超ヘビー級です。フィルターサイズはE48。
90mmでズミクロンの名を初めて冠したモデルで、歴代ズミクロンの中でも白眉の1本。気合いの入りすぎた作りで高コストが災いしたのか、1959年にはモデルチェンジとなり、製造本数はかなり少ないモデル。Lマウントが490本、Mマウントが400本程度の製造に留まったようです。
レンズもフードも重厚感のある見事なつくり。美しいパープルコーティングが白鏡胴に映えます。
稀少品。
クローム鏡胴には軽微な擦れやメッキのくすみ、アルミ製の専用フードにはシルバーペイントの剥がれや擦れ、軽微なアタリが見られますが、このレンズとしてはかなり良好なコンディション。
2025年10月にフルOH済。このレンズは過去に開けられた形跡が見られず、製造以来今回が初めての整備となったようです。故に固着がひどく、分解にはかなり難儀されたようですが、入念な整備により、各部の操作感は大変滑らかになりました。距離計連動もバッチリ。
当店デモ機のライカM10-Pでの実写テストでも、甘美な開放描写を距離計で楽しめました。
ガラスは中玉周辺部に強いLED光にかざすとやっと分かる程度のごく僅かなコーティングの傷みが見られますが、撮影への影響はまず見られないでしょう。他、クモリや拭きキズは見られず、スカッと抜けた綺麗なガラスです。
フード、前後キャップが付属します。