ライツのコード名はHEGRA。戦前ライツの中望遠銘レンズ、ヘクトール 73mm f1.9。ライカ最初の中望遠大口径レンズ。本品はブラックペイントとクロームメッキ仕上げ。直進ヘリコイドのタイプ。
本品の製造番号は14万台。ライツの製造番号表からは1932年製となりますが、同じ番号帯から混在する、直進ヘリコイドのオールブラック鏡胴と同じ1933/1934の製造とも思われます。feet表記。ノンコート。距離計連動。フィルター径は39mmねじこみ、いわゆる。
ヘクトール73mmは、最初期は距離計非連動、次に回転ヘリコイドで距離計連動に、その後オールブラックとこの黒/クローム鏡胴モデルで、アグファカラー撮影アクセサリーに対応するために直進ヘリコイドとなり、後に再び回転ヘリコイドへと戻ります。大口径中望遠だけに、距離計連動精度の問題もあったのでしょう。
絞り開放付近ではフワリとした滲みを伴う写りで、実にオールドレンズらしい味わいが得られます。絞り込んでいくとググッと解像感が増し、被写体を引き立てる描写となります。使い頃はf3.2〜4.5付近ですが、絞り開放付近での柔らかな描写が楽しいレンズです。
全体的に使用感があり、カド部にはペイント落ちが見られます。気兼ね無く持ち出せ、バンバン撮影を楽しみたい方に好適な一本。
2026年3月にピント調整を含むフルOH済。絞り、ヘリコイドの操作感はしっとり滑らかとなりました。整備前は全域で後ピン傾向でしたが、入念な整備により、現在は距離計で狙ったところにビシっ!とピントが収まります。73mmは連動精度が怪しい個体が少なくありませんが、この個体は絞り開放からしっかりと狙えます。
ガラスはクモリ無くスカッと抜けています。戦前レンズですので軽微なヤケやわずかなシミこそ見られますが、ヘクトールとしては大変綺麗なガラスです。
純正フードが付属します。フードキャップは非純正ですが、雰囲気は合っています。実用にどうぞ!