アンジェニュー 35mm f3.5 Type X1。フランス、P. Angenieux社の製造。稀少なライカマウント、距離計連動。フィルター径は34mm。
シリアル番号は95xxx、1947年製。戦後間もない時期のレンズです。
アルミ製の鏡胴は実測でたったの59g!コンパクトで超軽量。さすがアンジェの独自路線のカッコ良すぎるデザインも光ります。
3群4枚構成のテッサータイプ。ガラスはノンコート。距離表示はメートル。ちなみにタイプX1の製造は、1950年までのわずか4年ほどの間と言われています。ライカ用の他には、コンタックス用(一回り大きく、重くなります)とアルパ用がありました。いずれも珍品です。
このアンジェニュー X1や、50mm f1.8 Type S1のアルマイト加工鏡胴は、青や緑に褪色するものもありますが、初期モノは茶色く飴色に色褪せてゆきます。本品は茶色く色褪せ、レアな前後純正キャップも同じく褪色し、実に趣溢れる佇まい。こんな枯れ方をするレンズは他に類を見ません。
使い込まれたライカ M3 / M2 / M4ブラックペイント、または黒のDIIやDIIIと黒WEISUのコンビに装着すれば、ヴィンテージカメラ趣味の一つの上がり形となりそうです。
実に良い雰囲気に褪色し、カッパー色の佇まい。ヴィンテージ好きにはたまらない、文句無しの素晴らしいエイジング。大切にされてきたのでしょう。外観にアタリや凹み等も見られません。
2025年9月にフルOH済。絞り、ヘリコイドの操作感、距離計の連動良好です。
前玉にガラスのヤケと軽微な点状のカビ跡が見られますが、目立った拭きキズ等は見られません。
実写結果も良好でした。アンジェType X1は、片ボケや連動不良に毎度毎度悩まされますが、本品は実に良好な描写を見せます。
雰囲気サイコーの純正前後キャップが付属します。