アンジェニュー 50mm f1.8 Type S1。アンジェファン垂涎のオリジナル・ライカ Lマウント。本品は初期のオールアルミ鏡胴、淡いブルーのコーティングが施された一本。一番人気のモデルでしょう。ダブルガウス型の4群6枚構成。メートル表示。
50mm f1.8 Type S1は、アルパ用等として1940年代初めから製造された、アンジェニュー古株の銘玉。本品は1945年製。1944年にパリが解放された翌年に、よくもこんな素敵なレンズが製造できたものだと関心しきりです。
また、このアンジェS1はノンライツレンズの代表格、f1.8と大口径ハイスピードながらも小型軽量。フランスらしい小粋でスタイリッシュなデザインが泣かせます。オールアルミ製の鏡胴は実測でわずか110g。
絞り開放での描写はわずかに柔らかさを感じさせますが、軽く絞りを効かせるとシャープさが加わり、背景はぐるぐる巻きつつ立体感のある素晴らしい描写が得られます。撮影距離に応じてボケ味も大きく変化します。撮って良し、眺めて良しの一本。ブラックペイントのM型ボディとのマッチングも最高です。
珍品。
当店過去販売品です。歴代のお客様に大切に使われ、この度当店に出戻ってきました。コンディションが良い珍品レンズが帰って来るのは、実に嬉しいものです。お帰りなさい!今回で4回目の販売となります。
アルミ鏡胴が故に外観がヤレている個体が散見されるS1ですが、こちらの個体は黒塗装もしっかり残っており、使用の形跡が少ない極上コンディション。欠落しがちなピント調整用ノブもオリジナルのもの。
2020年にフルOHを行っていますが、万全を期すため2025年9月に再度フルOHを行いました。絞り、ヘリコイドの操作感はアンジェニューらしからぬ(失礼!)、素晴らしい感触です。
初期のアンジェニューは総アルミ鏡胴なので、グリス切れした状態で使うとあっという間にヘリコイドにガタが出て、連動不良はおろか片ボケなどにも悩まされますが、本品にそんな心配はご無用です。距離計連動もバッチリ。
ガラスは中玉のフチに軽微なバルサム切れが見られますが、このレンズとしては稀に見る綺麗なガラスです。他、クモリや目に付く拭き傷も見られず、大変クリア。得難いコンディション!
試写結果も大変良好でした。試写館をご覧頂ければ幸いです。