製造番号は21万台、1936年製のライカ IIIa型を、後年ライツ社にてIIIfブラックダイヤルへ純正改造した一台です。離れたファインダー窓、各ノブ、底蓋などにIIIaの面影を残しており、何と言ってもA型時代からのボディサイズを踏襲したコンパクトさが、ライカマニアの心をくすぐります。IIIaサイズのIIIf。
ライカによる純正改造は、元のモデルごとに改造専用のパーツが用意されていたそうですが、大変な手間とコストが掛かっています。妥協を許さないライツらしい、小粋なライカです。
トップカバーや底蓋には薄い擦れがやや多く見られ、長年にわたって活躍してきた様子が伺えるボディです。
底蓋の三脚穴側コーナーに当てキズが一箇所ありますが、歪みや凹みは見られません。グッタペルカは近年のものに貼り替えられていますが、違和感はほとんど感じません。
当店のお客様が最近まで実用されていた一台で、巻き上げの感触やシャッター作動も快調です。
ファインダー内には若干のホコリの混入が見られますが、見え味には影響なく、距離計の二重像もはっきりと確認できます。
IIIaの純正改造はやや少なく、人とはちょっと違ったモノが欲しい貴方に。実用に好適な1台です。