1929年製の旧エルマー付ライカ A型を、後年ライツにてDIIにアップグレードした一台です。その際にレンズも距離計連動にアップグレードされています。製造番号は19000番台。レンズのヘリコイド番号は3、距離表記はmeter。
当時のライツには、アップグレード専用のパーツが各モデルごとに用意されていたそうで、A型に通常のDIIの部品はそのまま組み込めないそうです。当時のライカが非常に高価なものあったこともあるでしょうが、何と面倒見の良いメーカーでしょう。
ボディとレンズの時代も合っており、約100年の歳月を感じさせる風格ですが、21世紀の現代でもフィルム、デジタルで旧エルマーの描写をお楽しみ頂けます。
底蓋にわずかな擦れは見られますが、ニッケルメッキや黒塗りもしっかり残ったとても綺麗な一台です。アタリや凹みも見られません。
ピアノブラックの艶が美しいボディは眺めているだけでもウットリ。
最近までお客様が実用されていた一台で、安心してお使い頂けます。数年前にOHされており、巻上げやシャッターの作動感はとても滑らか心地良く、ファインダーもとてもクリアで二重像のコントラストもしっかりしています。
2025年にレンズフルOH済。他の旧エルマーとは少々異なる構造をしていますが、旧エルマーであると分解の際に検証済みです。前玉にごく浅い拭き傷がわずかに見られますが、実写にはまず影響ありません。
丁寧な整備により、絞りやヘリコイドリングは極上の操作感。鏡胴内部の内面反射防止艶消しラッカーも綺麗に塗り直され、より締まった描写が期待出来ます。ライカ M10-P、M11で距離計連動、ピント良好です。
製造から1世紀を経てもまだまだ現役。手のひらにしっくり馴染む黒塗りDIIボディは、空シャッターを切っているだけでも癒やされます。製造年代を考慮すれば、大変コンディションが良い一台。
ベークライトの純正前キャップ付。