アルパ 9d グリーン。スイス・ピニオン社製のアイレベル一眼レフレックスカメラ。トプコンREスーパー、ペンタックスSPに次いで、世界で3番目に登場したTTL機。高級路線かつ小規模生産を続けたアルパとしては、一番多く販売されたモデル。9dは銀塗りが4391台、黒塗りが665台、それぞれ生産されました。
特注色のグリーンの本品は、アメリカの代理店からの注文によるもので、1964年〜1968年の間にわずか63台が製造されました。本品は1966年の製造。9dグリーンの中でも、革だけ緑のモデルやプリズム部まで緑のモデルがあります。
アルパの魅力は、少数生産の高級機ならではの重厚感や凝ったつくり、仕上げのみならず、多種多様なレンズ群にあるでしょう。
自社製レンズを持たないため、各国の優れたレンズメーカーから多様なスペックを用意していました。スイス・ケルン社、スイス・スペクトロス社、オランダ・オールドデルフト社、ドイツ・シュナイダー社、フランス・アンジェニュー社、フランス・キノプティック社、ドイツ・キルフィット社、日本からはチノン社や旭光学社と、実に多用なレンズ群に囲まれています。
トップカバーの結晶塗装や吊り環周辺、各部のカドに塗料落ちが見られ、しっかりと使い込まれた雰囲気です。なかなかシブい外観。ボディと底蓋のシリアル番号は一致しています。
露出計は不安定で、実用には厳しいです。他、シャッターやミラーなど各部の動作は良です。
純正ボディキャップが付属します。
人が持っていないカメラで撮影を楽しみたい方に。