キヤノン 50mm f0.95。1960年のフォトキナで発表するなり、世界中から賞賛を得たキヤノン製の超大口径レンズ。
ズノー 50mm f1.1、ニッコール 50mm f1.1、フジノン 50mm f1.2、ヘキサノン 60mm f1.2、そしてキヤノン 50mm f1.2など、1950年代の国産大口径レンズ競争がひと段落した、1961年に販売開始されました。別名「ドリームレンズ」。
新種ガラスを5枚使用し、5群7枚のレンズ構成。元はキヤノン 7/7s用の専用バヨネットですが、本品はライカ Mマウントへ丁寧な改造済。フィルター径は72mmねじこみ。
絞り開放f0.95〜f1.4では、独特の柔らかな写りが印象的。f2以降は解像力とシャープネスがグンと高まり描写は豹変、撮影が実に愉しいレンズです。
なお、後玉が僅かにマウント面より飛び出していますので、取扱いにはご注意ください。
ヘリコイドリングと絞りリングには、使用に伴う軽微な塗料落ちが見られますが、全体的には綺麗な外観です。
2025年8月にライカMマウント改造とフルOH済。絞りとヘリコイドの操作感も0.95らしからぬ滑らかな仕上がり。距離計連動もバッチリ。絞り開放からバシバシとピントが決まります。
ガラスには目に付く様な拭きキズやクモリも見られません。キヤノン0.95としてはかなりコンディションの良い一本。
実写テスト結果も大変良好でした。試写館に作例を掲載しました。ご覧頂ければ幸いです。近接付近では甘い写りですが、少し距離を置き始めると絞り開放から結像感のある写りが得られます。
前後キャップ、ケンコーのSLフィルター付。