初代エルマリート 28mm f2.8の初期型。赤文字、レッドスケール。9枚玉とも呼ばれる銘玉です。ライツの製品コードは11801。製造番号は219万台、1966年製。ライツカナダによる製造です。無限遠ストッパーはブラックペイント。
6群9枚構成の非レトロフォーカス型で、レンズ後端の出っ張りが大きいレンズ。ライカM5とCLでは、測光用アームが鏡胴後端と干渉し装着できませんのでご注意ください。
メリハリを感じさせるくびれたスタイル、精悍な赤文字、アクセントとなるストッパー付きのヘリコイド操作ノブ。歴代のエルマリートの中でも最もスタイリッシュで一番人気。
ガラスの状態が良ければ、絞り開放からシャープな写りと柔らかなボケが楽しめる広角レンズ。9枚玉は一見クモリに見えるようなバル切れを中玉に抱えている個体が散見されますが、こういったレンズは描写が甘くなりがちです。本品はバル切れも見られず、とても描写の良い一本です。
適合フィルターはE48、もしくはシリーズ7を12501フードとセットで使用します。
写りが良いレンズだけに、使い込まれた個体が少なくないエルマリート1stですが、本品はブラッククロームも美しく保たれ、ストッパー部のペイントもしっかり残っています。
2025年6月にピント調整を含むフルOH済。絞り、ヘリコイド、そしてストッパーの収まり具合共に素晴らしい操作感。距離計連動もバッチリ。
ガラスは前玉に軽微な拭きキズと薄い擦れ傷、またコーティング傷みが少々見られますが、ガラス自体はスカッと抜けています。バル切れやクモリは見られません。
実写テスト結果も大変良好でした。試写館に作例を掲載しました。開放付近ではやわらかなフレアを伴いつつも、中心は解像感がしっかりした描写です。
シリーズ7 UVaフィルター、12501フード、社外品フードキャップ、純正前後キャップが付属します。