連合国軍占領下時代の、ニッコール-S 5cm f1.4。Tokyo銘。白鏡胴。ニコンS 内爪マウント。シリアル番号は316xxx。捨て番5005シリーズの直後に作られた番号帯。製造時期としては1950年〜1951年と推測されます。ニコンMやMS、初期のニコンSの時代のニッコール。ボディにMade In Occupied Japan (MIOJ)の刻印がなされている時代のレンズと思われます。
3群7枚構成のゾナー型。フィルター径は43mm。当時、50mmでは世界で初めてのf1.4の明るさを達成したレンズでしたが、実際はf1.5に近かったとも言われています。
絞り開放からf2前後ではやわらかな描写ですが、f4まで絞り込むと一変してシャープな描写に豹変します。近年はライカ用やミラーレス用アダプターも豊富に供給され、楽しみ方の幅が広がりました。
製造から70年以上が経過しているとは思えない綺麗な外観です。
2025年10月にフルOH済。絞りの操作感、大変スムーズです。
前玉にはごく薄い微細な拭きキズが見られますが、クモリは見られません。
元箱、純正前後キャップが付属。前キャップはアルミに黒塗装、リアは後年のプラスチック製です。