映画用レンズで著名な、仏 P.Angenieux社製。アンジェニュー 28mm f3.5 Type R11。純正ライカ・スクリューマウント。絞りやヘリコイドリングのローレットの刻みが太くなった後期型。
1956年の製造。距離計連動。feet表記。レトロフォーカスタイプの6群6枚構成。パープル系のコーティングが美しいレンズです。
レトロフォーカス設計らしく、レンズ先端が大きく、くびれのある独特のデザイン。一目でアンジェニューと判る、濃藍色のアルミアルマイト地と梨地クロームのローレットのツートンが洒脱なデザイン。流石のフランス製。
Lマウントのアンジェ 28mmは生産本数が少なく、なかなかのレア玉。
独特なスタイリングは、バルナックライカはもとより、ブラックペイントやデジタルM型に装着しても良く似合います。時代を超えた優れたデザイン。
ちなみにこのType R11のフィルター径は、前期型が56mm、後期型が58mmと異なり、世のアンジェユーザーを惑わせます(私たちも右往左往w)。稀少品。
使い込まれて褪色している個体が多いアンジェニューレンズですが、今回の個体は黒々とした塗装がしっかりと残っており、シルバーのバンド部の梨地メッキも美しいコンディション。マウント部や銘板もとても綺麗です。ごく軽微ですが、鏡胴の先端部や距離リングの3.5feet指標の左脇に小傷が見られます。
2025年5月にフルOH済。絞りとヘリコイドの操作感はしっとりとした感触に整えられています。距離計連動もバッチリです。
ガラスには目に付く様な拭きキズも見られません。強いLED光にかざしてやっと分かる程度のごく軽微なコーティングの傷みが見られますが、実写への影響はまず無いでしょう。アンジェニューとしてはかなり良いガラスです。
綺麗なガラスと相まって、実写テスト結果も良好でした。試写館に作例を掲載しました。ほのかな滲みを伴った写りが、何とも優しい絵を描きます。
前期タイプの純正前キャップが付属します。