ライツ・クセノン 50mm f1.5、前期型。本品は銘板にTaylor-Hobsonの刻印が入ったモデル。イギリス向けに出荷された一本と思われます。ライツの製品コードはXEMOO。製造番号28万台。
ライカクセノンは1935年から1950年にかけて製造されました。本品は発売初年度の1936年製造、2ndロット。ヘリコイドリングにローレットが2本入った初期タイプ、通称「ツーバンド」。六角形の絞り羽根を採用し、光学構成は5群7枚。ノンコート。絞り指標は大陸式(f1.5、1.6、2.2、3.2、4.5...)で、最小絞りはf9。距離表記はフィート。
本レンズはトロニエ博士の設計による、戦前のライツを代表する大口径レンズ。シュナイダー社製造で、生産本数は約6,000本と多くはありません。また、ツァイス・イコンの銘玉ゾナーに対抗する存在でもあり、当時は非常に高価なレンズだったようです。ライツの大口径標準レンズとしては、後に登場したズマリットやズミルクスの影に隠れがちですが、絞り開放から繊細で柔らかい描写を楽しめる銘玉です。
UVフィルターはかぶせ式のXOOFB、フードは折りたたみ式のXIOOMが適合します。
鏡胴先端のフード取り付け部と鏡胴基部側に薄い擦れが見られますが、その他目立つ傷やアタリはなく、製造から90年近く経たライカクセノンレとしてはとても綺麗な外観です。真鍮が出ているような箇所もありません。
2026年8月にフルOH済み。丁寧な整備により、重くなりがちなクセノンの絞りリングやヘリコイドの操作感は、共に非常に滑らかに仕上がっており、気持ち良く使えます。
レンズは前玉に、強いLED光にかざすと見える程度のごく薄い拭きキズが見られますが、実写にはほとんど影響ないでしょう。中玉はクリアで抜けも良く、クセノンとしてはとても綺麗なガラスです。
逆光にはやや弱い戦前のノンコートレンズですが、アンダー目なシーンでは実に味のある描写を見せてくれます。試写結果も大変良好でした。試写館をご覧頂ければ幸いです。
前後純正キャップ、元箱が付属します。
なかなか得難いコンディション!