銘玉・ニッコール-P.C 8.5cm f2の最終型。黒鏡胴。ニコンSマウント。外爪。ニッコール 85mmは1948年に登場し、初期はクロームメッキの白鏡胴でした。3群5枚構成のゾナー型。フィルター径は48mm。距離表記はfeet。
絞り開放ではやや柔らかさを伴い、豊かな階調と高いコントラストが両立した素晴らしい写りを発揮します。f4付近まで絞り込むと、周辺減光は息をひそめて均質な写りとなり、コントラストも高まり一気に鮮鋭な描写へ。
D.D.ダンカン氏が朝鮮戦争で使用し絶賛、日本製レンズの優秀さを世に知らしめるきっかけとなった記念碑的レンズです。
後期型・黒鏡胴はやや稀少。白ボディ、黒ボディのどちらにも良く似合うデザイン。現代のミラーレスデジタル機でも、アダプターを介してお楽しみ頂けます。
鏡胴やフードのつくりも良く、手に取るだけでもその精密感を感じ取ることが出来、何とも愛着の湧くレンズです。
鏡胴には擦れ傷が少々見られますが、目立つ傷やアタリ、塗装やメッキの剥がれはなく、まずまず良好な外観です。
各部の動作は正常、点検用のニコンSボディにてピント確認済みです。
ガラスは内側にわずかなホコリの混入と、前玉裏側にごく軽微な汚れが見られますが、描写への影響はありません。全体的にクリアで抜けの良いガラスコンディションです(ご希望に応じて有償整備も承ります)。
試写結果も大変良好でした。試写館をご覧頂ければ幸いです。
付属の純正フードには大きなアタリと修正痕が見られるものの、まだ十分に使用可能です。
実用性重視のコンディション、気兼ねなくお使いいただける一本です。