独アルベルト・シャハト製、トラベゴン 35mm f3.5。ライカスクリューマウント。距離計連動。3群6枚構成。ゼブラ柄が独特の雰囲気です。最短撮影距離は1m。フィルター径は48mm。アルミが用いられた比較的軽量な鏡胴です。実測で約195g。
シャハト社は、カール・ツァイスとシュタインハイルで経験を積んだアルベルト・シャハト氏が1948年にミュンヘンで創業。その後、ウルムに移転しています。よって初期のレンズは、A.Schacht Munchenと刻まれていましたが、ウルム移転後はA.Schacht Ulmへと表記が変わります。
同社は比較的廉価なレンズを供給しており、エキザクタマウント、M42マウントのレンズが良く知られていますが、ライカマウントも一部製造していました。
外観のアクセントとなっているシャイニーなアルミ部に擦れや僅かな腐食が見られますが、全体的には良好な外観です。
2025年6月にフルOH済。絞り、ヘリコイドの操作感はしっとりと潤いに満ちた心地良さ。距離計連動もバッチリ。
前玉の周辺部と後玉にコーティングの傷みが見られますが、描写への影響はごく軽微でしょう。
実写テスト結果良好でした。ピント面は開放から適度なシャープさを感じさせます。後ボケにはゴワつきがあり、オールドレンズらしい味わいです。試写館に作例を掲載しました。ご覧頂ければ幸いです。
プラスチック製の純正前後キャップが付属します。