ニッコール-P.C 8.5cm f2。D.D.ダンカン氏が朝鮮戦争で使用し、絶賛を得た高名なレンズ。日本製レンズの優秀さを世界に広めた立役者です。
こちらの個体はライカ・スクリューマウントの初期型。製造は1950年頃。シリアル番号903xxx。最初期801シリーズに続く、捨て番903シリーズ。そのうちの616番目に製造された個体で、このシリーズの中間ぐらいあたります。構造も洗練され、後年のハチゴニッコールに近づいています。
本品は、連合国軍占領下の日本での製造で、Made In Occupied Japan(占領下の日本)の刻印入り(通称 MIOJ)。なお、フードキャップにも同様の刻印が記されています。銘板はNippon Kogaku Tokyo刻印。レンズの設計は3群5枚構成のゾナー型。feet表記。レンズ単体で実測526g。
稀少品。
軽微な擦れ傷程度で良好な外観です。製造から65年が経過していることを考慮しても良いコンディション。
2025年6月にフルOH済。絞り、ヘリコイドの操作感滑らかに仕上がっています。距離計連動は、絞り開放付近では5〜10メートルくらいの距離にて前ピン傾向が感じられますが、1段絞ればおよそ被写界深度内に収まっています。
前玉のフチに沿って白くカビ痕が見られますが、これを除けば各面のガラスはクモリ無くスカッと抜けています。また、前玉と中玉にごくごく浅い線状の拭き傷が数本見られますが、撮影には影響無いでしょう。実写テスト結果も大変良好でした。
初期の1ピース構造タイプの純正フード、ベークライト製のかぶせフードキャップと後キャップ、革ケースが付属します。