久々入荷のフジノン 50mm f1.2、初期型・白鏡胴。クローム&シルバーペイント。1954年発売。feet表記。直進ヘリコイド。
このフジノン前期型は、プロトタイプ的な位置づけで生産本数は100本前後と言われており、かなり珍しい一本。黒バージョンのフジノン後期とは、各リングや無限遠ストッパーの形状が異なります。また後期黒鏡胴がアンバー系のコーティングに対し、前期クロームはパープルとアンバー。
ズノー 50mm f1.1、ヘキサノン 60mm f1.2、ニッコール 50mm f1.1、マイナーなところではレオノン 50mm f1.2などと並んで、国産大口径競争の真っ只中に登場したレンズ。本体のみの重量は398g、フィルターリング付で424g。
本品はシリアル末尾が「50」、切りの良い番号です。
白フジノンの絞りリングやヘリコイドリングは、一見クロームメッキながらも実は銀塗装で、この部分が腐食したり剥げている個体が多いのですが、本品は非常に綺麗な外観を保っています。
絞りリングに僅かな塗装傷みが見られる他は、使用感の見られない綺麗な外観です。レンズは前玉に薄い拭き傷が数本見られますが、他はクモリやバル切れも見られず、スカッと抜けたガラスです。
2025年4月にフルOH済。各部の操作感滑らかです。当店のデモ機M10-PやM11では、1〜2m付近ではわずかに前ピン傾向となりますが、1〜2段程度絞ると被写界深度に入ります。このピント位置は製造当初からのままのようです。
試写結果、良好でした。試写館をご覧頂ければ幸いです。
フードを兼ねる純正フィルターリング、ケース、FUJINONロゴ入りの前後キャップ付。