ズミクロン 50mm f2、第2世代の最初期モデル。製造番号は226万台、1968年製。
この番号帯のみに見られる、5群6枚の新設計レンズを第1世代の鏡胴に入れ込んだ端境期のモデル。近年、海外では「Transitional Model」とも呼ばれています。ライツの製品コードは、すぐ後の普通の2nd・6枚玉と同じで11817。フィルター径はE39。
ライカ A型に始まり、M3やズミクロン、ズミルックス 35&50mm初期、ノクチ f1.2、近年ではアポズミ 50mm等、ライカの初期モノは、いつの時代も気合いが入りまくり、質感やデザイン、パフォーマンスで人々を感動させてくれますが、この6枚玉最初期モデルもライツの意気込みを感じる一本。
1st後期の端正な外観デザインを継承し、ブラッククロームにもブラックペイントにも良く似合うデザインも秀逸です。
また、この端境モデルはとにかく良く写ると昔から言われていますが、本品もその例に違わぬ描写を見せます。実に良く写る一本です。稀少品。
フィルター枠先端やヘリコイドリングなどの黒塗装部分に、わずかな剥げが見られますが、鏡胴はまだ黒々としており清潔感のある外観です。
2025年3月にフルOH済。入念な整備により、各部の操作感はとても滑らか、心地良く撮影に没頭できます。距離計連動バッチリ。非常にシャープな線を結びます。
レンズ前玉の周辺近くに清掃で取り切れない汚れが一箇所、また中玉の端に一点軽微なクモリが見られますが、実写にはまず影響無いでしょう。試写館に作例を掲載しました。この初期タイプならではのキレ味鋭い写りにはいつもながら驚かされます。
前後純正キャップが付属します。前キャップはかなり後の時代のもの。