ズミクロン 50mm f2、第2世代の最初期モデル。製造番号は226万台、1968年製。この番号帯のみに見られる、5群6枚の新設計レンズを第1世代の鏡胴に入れ込んだ端境期のモデル。
近年、海外では「Transitional Model」とも呼ばれています。ライツの製品コードは、すぐ後の通常の6枚玉2ndと同じで11817。
ライカ A型に始まり、M3やズミクロン、ズミルックス 35&50mm初期、ノクチ f1.2、近年ではアポズミ 50mm等、ライカの初期モノは、いつの時代も気合いが入りまくり、質感、デザイン、性能面で人々を感動させてくれますが、この6枚玉最初期モデルもライツの意気込みを感じる一本。
1st後期の端正な外観デザインを継承し、ブラッククロームボディにもブラックペイントにも良く似合うデザイン。特に、同じ1968年製造のM4ブラックペイント118万台や120万台とは雰囲気も合いそうです。
この端境モデルはとにかく良く写ると昔から言われていますが、本品もその例に違わぬ描写を見せます。実に良く写る一本です。
稀少品。
往年愛用されていた一本と思われ、ヘリコイドや絞りリング部には手擦れによる塗装剥げが多少見られます。アタリや凹み等のダメージは見られません。
2025年6月にフルOH済。各部の操作感とても滑らかになりました。カタカタしがちな絞りリングもスムーズな感触です。
レンズ前玉にはごくごく薄い拭き傷が数本と、後玉には点状の軽微なコーティング傷みが見られますが、目立った傷やクモリは見られず、スカッと抜けたガラスです。距離計連動は見事にバッチリ。アポズミかと間違えるような、絞り開放から結像感高く、コントラストの高い線を結びます。
この2nd最初期、端境ズミクロン、これまで取り扱ってきたいずれの個体も非常に良く写る印象ですが、今回の一本もご多分に漏れず、見事にシャープな描写でした。距離計連動も素晴らしく、最短撮影距離の0.7mから気持ち良く撮影できます。
試写結果大変良好。試写館をご覧頂ければ幸いです。作例は全て絞り開放にて撮影。切れ味鋭く発色も素晴らしく、撮影が楽しい一本。
社外品の前キャップ、純正後キャップが付属します。