ライカ IIIb。28万台、1938年製。ライツの製品コードはATOOH。
戦前ライツの金字塔の1つとも言うべき、板金ボディ最後のバルナックライカ。大量生産に舵を切った次世代モデルのライカIIIcは、ダイキャストボディになると共に、ボディサイズが長くなっており、IIIbのこの小ぶりなサイズ感は手に良く馴染みます。
ライカDIIIに1/1000が付いた、先代のライカIIIaと比べても大きな進化が見られます。距離計とファインダーの窓が隣接するようになり、使い勝手が向上しています。加えて視度補正が巻き戻しノブと同軸となりました。内部もアップデートされ、距離計ユニットがボディフレームにビス留めされるようになり耐衝撃性が向上しています。また、大戦前の好景気の中で製造されたIIIbは、仕上げや加工も素晴らしく玄人好みのモデルとも言えます。
IIIbは何故か綺麗な個体が少ないのですが、こちらは珍しく美品コンディション。眺めていてもヒシヒシ伝わってくるクオリティの高さ。コレクションにも是非。
底蓋に数本の軽微な擦れ傷が見られる程度で、全体的にかなり綺麗なボディです。目立ったキズやアタリや凹みも見られません。吊り環周辺も綺麗です。シャイニーなメッキの輝きも美しく、IIIbとしては稀少な美品コンディション。
2025年4月にOH済。各部の操作感滑らかに仕上がっています。バルナックらしい、しっとりとしたシャッター音もまた良い雰囲気。ファインダーの見え味も大変クリアー。距離計のコントラストもしっかりしています。空シャッターを切るのも楽しい一台です。