1951年に登場した大口径中望遠レンズ、ニッコール-S・C 8.5cm f1.5。ライカスクリューマウント。日本光学製。ブラックペイントとクロームメッキ仕上げ。3群7枚構成。feet表記。
フィルターは58mmねじ込み。ニッコール 85mm f1.5のLマウントは、ニコンやコンタックスマウントとはフィルター径やフードの装着方法が異なりますのでご注意を。ちなみにニコンSとコンタックスマウントのフィルター径は60mmとなります。
ニッコール-S.C 85mm f1.5は、ニコン、ライカ、コンタックス用の3タイプを合わせて、約2000本が製造されたと言われています。望遠の大口径ゆえにガラスがタップリと詰まっており、重量は実測で547g。この個体は、理由は不明ですが三脚座が付属しない個体のため、通常より40g程度軽くなっています。実際に整備を行ってみると内側にあるはずの三脚座を支えるためのプレートの装着痕が見当たらないため、販売当初からこの状態であったと思われます。
絞り開放ではやわらかく穏やかな描写で、ボケもきれい。解像力も素晴らしい。絞り込んでも硬くなりすぎず、シャープな画像を楽しめます。シャープなイメージの現代のニコンレンズとは、また違った描写が楽しめます。
使用に伴う軽微な塗料落ちが見られますが、比較的良好な外観です。
2025年3月にフルOH済。絞りとヘリコイドの操作感は適度なトルク感に調整されており、とても滑らかな操作感です。距離計連動もバッチリ。
前玉にはごく軽微な拭き傷が見られますが、各面クモリ無くスカッと抜けています。
描写良好。試写館に作例を掲載しました。ご覧頂ければ幸いです。
ケンコー製の保護フィルター、コピーの前後キャップが付属します。