エルマー 90mm f4。シン(thin)エルマーのブラック&ニッケル仕上げ。ライツの製品コードはELANG。製造番号は32万台。距離表記はメートルです。
シリアル番号からは1936年製となり、黒/ニッケルのレンズとしては時代が少し下がります。この頃は既にクロームメッキ仕上げが主流ですが、これまでも同じ黒/ニッケルで、本品と近い製造番号や、もっと後の番号の同レンズを見ています。クロームが主流となった時代でも、ニッケル仕上げを求める方からのオーダー品なのかもしれません。
3群4枚構成。本来はノンコートですが、この個体には戦後ライツによるコーティング処理が施されています。各面にしっかりと色の淡いコーティングが見られます。
ブラック&ニッケルのライカ DIIやDIIIなどに合わせると、最高にカッコイイ一本。存在もあまり知られていないこのニッケルシンエルマー、お探しの方も少なくないレンズでしょう。稀少品。
鏡胴先端部に塗装の剥がれ、軽微な擦れこそ見られますが、黒/ニッケルのシンエルマーとしてはかなり綺麗な一本。ブラックペイント、ニッケルメッキ、銀象嵌の何れもが良好な状態で、実に美しい1本。
2025年3月に専門業者さんにてフルオーバーホール済。絞り、ヘリコイドの操作感バツグンの仕上がりです。OHの際に入念なピント調整も行われ、距離計連動もバッチリです。無限遠で二重像が僅かに行き過ぎますが、実用上は差し支えありません。
前玉の表面にはルーペでみてやっと分かるほどの薄く微細なカビ痕が数点見られます。撮影への影響は感じられません。他、目に付くような拭き傷やクモリも無く、スカッと抜けたガラスです。実写テスト結果も良好でした。
純正前後キャップ、元箱が付属します。コレクションにどうぞ!