トヨカフレックス35。「横二眼」の愛称で呼ばれています。東郷堂より1955年に発売されました。世界で唯一の35mmフィルムの横二眼式カメラ。撮影レンズ、ビューレンズ共に、オウラ・アナスチグマット 45mm f3.5レンズが付きます。
実用性は決して悪く無いのですが、ウエストレベルファインダーをレンズの隣に割り込ませたため、中判カメラ並に横に長いボディとなったこと、横二眼というビミョーなデザイン、ずっしりとした831gという重さ、シャッターの最高速は1/300しかない、といった点がネックになったと容易に想像されます。売れ行き不調のため市中に出回った個体数は少なく、コレクターズアイテムとして珍重される結果に。
ウエストレベルファインダーは、カメラを保持すると左にずれた位置に設置されています。独創的、ユニークですが、横二眼という設計については恐らくメリットはほとんど無いと思われます(笑)
驚くべき事に、近距離撮影のためのパララックス警告線が、ファインダー内のスクリーン右側❗に縦に刻まれています。古今東西4万とも5万とも言われる数多あるカメラでも他に類は無く、戸惑います。なお、ファインダールーペはファインダーフード脇のレバーで操作して、スクリーンにピントが合うように調整する必要があります。
独創性が全てとも言える、珍機構満載の珍品カメラ。
綺麗な外観です。黒ペイント部に僅かな塗料落ちは見られますが、使用感少なく目立つような傷や擦れも見られません。
2025年8月にオーバーホール済。各部の動作快調。ファインダーの見え味も良好です。
テイクレンズのガラスには通常の整備では除去しきれない、コーティングの傷みが見られますが、軽微ですので撮影への影響も無いでしょう。
純正の革ケースが付属。ケースの内側には、欧米人と思われる以前のオーナーさんの名前がペン書きで記入されています。また、ストラップ部は切れています。
コンディションも良く、コレクションにも好適な一台です。