ライツ・クセノン 50mm f1.5、製品コードはXEMOO。製造番号49万台。ライカクセノンは、1936年から1950年にかけて製造されました。
本品は1939年製、ピントリングの帯が3本の後期型。通称スリーバンド。六角形の絞り羽根を採用し、光学構成は5群7枚。ノンコート。絞り指標は大陸式(f1.5、1.6、2.2、3.2、4.5...)で、最小絞りはf9。距離表記はmeter。
本レンズはシュナイダー社製造で、生産本数は約6,000本と多くはありません。また、ツァイス・イコンの銘玉ゾナー f1.5に対抗する存在でもあり、当時は非常に高価なレンズだったようです。
ライツの大口径標準レンズとしては、後に登場したズマリットやズミルクスの影に隠れがちですが、絞り開放付近はかなり柔らかく、濃厚なオールド感あふれる描写をお楽しみ頂けます。一度は使ってみたいという声も多い、当店でも人気の高いレンズ。
適合純正フードは折り畳み式のXIOOMですが、こちらはなかなかレア。ズマリット用XOONSフードも装着可。フィルター径も同じ41mmです。
当店過去販売品です。お客様に長らく大切にされ大いに活躍、この度入れ替えで当店に出戻ってきました。お帰りなさい!
通常使用による擦れが全体に見られますが、目立った傷やアタリは見られず、製造から85年を経たレンズとしてはかなり綺麗な外観です。
前回販売時の2016年にフルOHを行っていますが、今回の再販売に際し、2024年12月に再度フルOHを行っています。絞りリング、ヘリコイド共に絶妙なトルク感で心地良い操作感に仕上がっています。ピント良好、距離計連動もバッチリです。
前玉と後玉に浅い拭き傷が少々と、ガラスのヤケが見られますが、拭き傷だらけの個体ばかりのクセノンとしては綺麗なガラスです。
逆光にはやや弱い戦前のノンコートレンズですが、アンダー目なシーンでは実に味のある描写を見せてくれます。開放での実写テストではうっすらとしたフレアを伴いつつも解像力があり、芯のある像を結んでいました。
試写館にてご確認ください。
純正前後キャップが付属します。