35mm判カメラ、アドヴォケート。フィルム感材メーカーで、またライカ・コピー機の傑作、Witnessの製造元としても知られる、英Ilford社製。目測式。距離表記はfeet。1953年5月から1956年まで販売され、約4500台が製造されました。
35mmフィルムを使用するカメラでは初めて35mmレンズを標準装備した、世界最初の35mm広角専用機。
本品はシリーズIIのホワイトフェイス。ちなみにシリーズ IはWray社のレンズを装備し、シャッター周辺が黒いデザイン。アルミダイキャストのボディにアイボリー色のエナメル塗装で実に涼やかなルックスです。
ヨーロッパ買い付けに出向いても、WitnessやAdvocateはイギリスでしか見掛けません。これらは恐らくイギリス国内のみで流通したのでしょう。
評判の良いダルメーヤー 35mm f3.5レンズには、淡いブルーのダル・コートが施されています。イルフォードのカラーフィルムと同時に宣伝されただけあり、モノクロのみならずカラーでの描写も昔から定評があります。初めにレンズ有りきのカメラですが、デザインも秀逸です。
ダルメーヤーのスナップシューター。Witnessのサブ機にどうぞ笑
20年近く前に当店で販売した一台です。お客様に大切にされ、この度当店に出戻ってきました。お帰りなさい❗
三脚穴周辺にわずかな使用感、またボディ背面部にケースのボタンの痕が薄く見えますが、他は目立った使用感も見られずとても綺麗なボディです。これだけ綺麗なアドヴォケイトはそうそう出て来ません。
巻き上げ、シャッター等、各部の作動は快調です。綺麗な外観と相まって、レンズも綺麗なガラスです。ピントグラスでのチェックですが、ピントも良好。ファインダーもスカッとしたクリアな見え味。
フィルムカウンターをセットするには、巻き上げダイヤルを押し込みながらセットします。また、撮影後のフィルム巻戻しも巻上げダイヤルを押し込んだまま、巻き戻しを行います。
付属のケースはかなり使い込まれたもので、ストラップ部は補修痕があり固くなっています。オマケとお考え頂ければ幸いです。
なお、アイボリーペイントの吊り環にストラップ金具を通すと、たちまち塗装が剥げてしまいます。当店のハンドストラップFB-12など、塗装に優しいストラップをお使い頂くのが吉でしょう。