独プラウベル社製のプラウベルマキナ IIIR。1920年に登場したプラウベルマキナ・シリーズの最終型として1956年に登場。コンパー・ラピッドシャッター付となりました。昔からコレクターに人気のあるモデルです。
III型はレンズ交換式で、Orthar 73mm f6.8やTele-Makinar 190mm f4.8などが用意されました。距離計連動は標準レンズのみとなります。
マキナ IIIRには、通常Anticomar 100mm f2.9、またはf4.2が付属しますが、本品は珍しいf3.5付。このアンチコマー 100mm f3.5は、空軍や航空写真用に少数作られたとされていますので、本品はその流用、もしくは改造なのでしょうか。それにしてはしっくり収まっており、違和感はありません。
レンズの絞り操作部にはf2.9と刻まれていますが、絞り羽根はf3.5の位置から動き始めるので実用に問題はありません。ピントグラスでの確認ですが、距離計連動もOKです。
120フィルムを使用。本品には6x6判と6x9判の2つのオートマチックロールホルダーが付属、コレは嬉しいポイント!
スタートマークに依らないフィルム装填方法や、レンズ毎に異なる操作方法など、知らないと操作に困ってしまうカメラですが、参考資料としてクラカメ専科65号から該当ページのコピーを添付いたします。
メッキの状態も比較的良く、全体的に良好な外観です。Makina IIIRの刻印があるグリップ部には、何かを固定するために空けたと思われる2つの穴が見られます。往時の新聞社では、グリップ代わりにフラッシュガンを取り付けていたと言われており、その証でしょうか。想像が膨らみます。
2025年5月に専門業者にて点検整備済。光線漏れの補修やレンズ清掃、ファインダーと距離計整備を行っています。安心して撮影をお楽しみいただけます。
レンズ中玉には軽微なコーティングの傷みが見られますが、撮影への影響はまず見られないでしょう。クモリや拭きキズも見られません。
プラウベルの可愛らしいロゴマークが刻印された前キャップ、ロールフィルムホルダー2点が付属します。