ライカ DII。海外ではモデルDやライカIIとも呼ばれています。
製造番号は808xxの5桁で、DIIが発売された初年度である1932年製。ライツの製品コードは、LYCAN。美しい黒塗り&ニッケルメッキ仕上げで、三脚ネジは大ネジ仕様。A型と同じ大きなシャッターダイヤルが初期DIIらしく良き佇まい。
DIIは、ライカ初の距離計内蔵モデルであり、ライツの歴史においても画期的な存在です。後継のDIIIと比べると、ストラップ用の吊り環がなく、スローシャッターや視度補正機能も備えていません。しかし、スローダイヤルがない分、しっかりと握れるホールド感や、シンプルで洗練されたデザインなど、ミニマルな機能美が魅力の一台です。
また、DIIはライカの発展において重要なモデルであり、バルナック型ライカの完成形へとつながる基礎を築いたカメラでもあります。
ボディの角部や底蓋には、長年の使用により擦れや真鍮が出ている箇所が見られます。アタリや凹みは見られません。丁寧に使い込まれてきた雰囲気です。背面部のグッタペルカ(貼り革)には補修痕が見られますが、ほとんど目立ちません。貼り革自体は当時のオリジナルのまま。
2025年3月にOH済。各部の動作快調に仕上がっています。シャッター音も心地良く、ファインダーの見え味もスカッとクリアです。
今回のフル整備でリフレッシュ、これからバンバン使い込んで頂きたい一台です。