ローライ・ゾナー 40mm f2.8 HFT。銘機ローライ 35S用のゾナーを転用したライカマウントレンズ。2002年に登場。当時の販売元はホースマンでも知られる駒村商会。4群5枚構成。最短撮影距離は0.7m。ローライ独自のHFT(High Fidelity Transfer)コーティング付き。フィルター径はE39。
ローライ 35Sは、コンパクトカメラとは思えない素晴らしく鮮鋭な描写で今もなお評価の高いカメラですが、目測のため絞り開放f2.8での近距離撮影はかなりの慣れが必要でした。このLマウントバージョンは当然ながら距離計連動、近接からバッチリ狙えます。ある意味、夢が叶うレンズとも言えます。
ガラスはドイツのローライ本社工場で研磨され、日本のコシナによって製造された鏡胴をドイツへ輸出し、ドイツで組み立てた後に日本へ輸入されるという複雑な製造と流通だったそうです。このためかローライ35Sの1.7倍近いプライスタグが掲げられていました。
使用感見られず、とても綺麗な外観です。往時の新品の雰囲気タップリです。
2024年10月にフルOHを行いました。クモリ玉としても知られるこのゾナー、通常は分解が出来ないそうですが、本品は丁寧に全分解され、見事にスカッと抜けたガラスとなりました。絞り、ヘリコイドもほどよいトルクで心地良い操作感。距離計連動もバッチリ。本来の写りが楽しめるローライ・ゾナーです。試写館に作例を掲載いたしました。ぜひご覧くださいませ。
純正の40mmファインダー、前キャップ、フードが付属します。