ライカ M3、初期モデル。製造番号は703xxx。M3発売初年度の1954年製。フレームセレクターレバーはまだ無く、スッキリしたルックスです。三脚ネジは小ネジ。ダブルストローク(2回巻上げ)。ストラップラグは福耳。
初源ライカM3の特徴を各所に残すオリジナルボディ。マウント12時位置に封印無しのネジ(最初期はネジ無し)、ASA200のバックドア、初期の特徴を持ったバックドア裏、硝子製の圧板、アクセサリーシューのステンレス半月ストッパー(クロームも混在)、巻戻し軸の中心部がマイナス(1ドットも混在)などなど。M3愛好家の見どころ満載、その一部は段付きとも共通します。
ライカA型初期と同じく、M3初期も短い期間にめまぐるしく変遷し、探究の対象としては深遠なるものがあります。実用のみならず、知れば知るほど楽しくなる、奥深いライカです。初期モノ好きにはたまりません。
トップカバー、吊り環周り、底蓋には使用に伴う擦れがやや多く見られますが、アタリや凹みはありません。初期のM3としてはまずまず良好な外観です。ファインダーの接眼ガラスに長さ5mmほどのキズが見られ、強い逆光時にはファインダーの見え方に多少影響があるかも知れませんが、実用には問題ありません。グッタペルカは当時のままのオリジナルで。欠け等は見られません。
2024年12月にOH済。シャッターの音も軽やかに、巻上げの操作感も滑らかに仕上がっています。しっかり整備され、よくこなれたダブルストローク特有のクネクネとした心地良い操作感が楽しめます。ファインダーの見え味は良好、二重像のコントラストもしっかりしています。
実用向けのM3初期です。
