ライツ・クセノン 50mm f1.5、前期型。製品コードはXEMOO。製造番号28万台。ライカクセノンは1936年から1950年にかけて製造されました。本品は製造初年度の1936年製、ヘリコイドリングにローレットが2本入った初期タイプ、通称「ツーバンド」。六角形の絞り羽根を採用し、光学構成は5群7枚。ノンコート。絞り指標は大陸式で、最小絞りはf9。距離表記はメートル。
本レンズはシュナイダー社製造で、生産本数は約6,000本と多くはありません。また、ツァイス・イコンの銘玉ゾナーに対抗する存在でもあり、当時は非常に高価なレンズだったようです。ライツの大口径標準レンズとしては、後に登場したズマリットやズミルクスの影に隠れがちですが、絞り開放から繊細で柔らかい描写を楽しめる銘玉です。
フィルターはかぶせ式のXOOFB、フードは折りたたみ式のXIOOMが適合します。
ごく薄い擦れは見られますが、真鍮が出ている箇所も無く、ライカクセノンとしてはかなり綺麗な外観です。目立った傷やアタリも見られません。
2024年10月にフルオーバーホール済み。丁寧な整備により、重くなりがちなクセノンの絞りリングやヘリコイドの操作感は、共に非常に良好です。内面反射防止の艶消しラッカーも丁寧に塗り直されています。距離計連動もバッチリ、ピントも問題ありません。
レンズは前玉にごく薄い細かな拭き傷と、経年によるガラスのヤケが少々見られますが、実写にはほとんど影響ないでしょう。中玉には曇りも無く、クリアで抜けの良いガラスです。綺麗な外観と相まって、全般的にかなりコンディションの良い一本。実写テストの結果も良好でした。
前後純正キャップが付属します。