アンジェニュー 50mm f1.8 Type S1。純正ライカ Lマウント。1945年製。4群6枚、ノンコート。距離は嬉しいmeter表記。
アンジェ・タイプ S1は、1940年代半ばから製造されたアンジェニュー古株の銘玉。アルパレフレックス用Alitarとしても知られています。f1.8と大口径ハイスピードながらも小型軽量。総アルミ製の鏡胴はわずか110g。
絞り開放での描写はやわらかさを感じさせますが、f2程度まで軽く絞りを効かせるとシャープさが加わり、立体感のある素晴らしい描写です。ノンコートはより味わい深い描写とも言われ、コーテッドと迷うポイントでもあります。
ライカに装着した姿がモーレツに格好いいレンズ。ブラックペイントボディのお供にもどうぞ。アンジェ・ファン垂涎の1本です。珍品。
鏡胴の先端にごく軽微な傷が見られますが、他は目立つ傷やアタリなどは見られず、丁寧に使われ続けて来た雰囲気タップリ。長年の使用により柿渋色に褪色した鏡胴が実に味わい深く、ヘリコイドの鈍いアルミの輝きと相まっていぶし銀の佇まい。欠落しやすい距離操作ツマミノブも当時のオリジナル。
2024年12月にピント調整を含むフルOH済。アルミ製のヘリコイドが摩耗により傷みやすいレンズですが、丁寧な整備により滑らかな操作感に仕上がっています。絞りの動作もスムーズです。距離計連動もバッチリ。
強いLED光にかざすと、中玉に小さなカビ痕のようなものが複数見られますが、丁寧なガラス清掃によりこれ以上進行することはないでしょう。他、目立った拭き傷やクモリは見られず、ガラスは抜けています。実写テストも大変良好でした。
作例を試写館に掲載しました。全て絞り開放での撮影です。抜けの良いガラスで、発色も良好でした。ご覧頂ければ幸いです。