XEMOO。製造番号は37万台、1937年製のライカ・クセノン 50mm f1.5。本品は銘板にTaylor-Hobson〜の刻印が入ったモデル。イギリス向けに出荷された一本と思われます。5群7枚構成。本品はピントリングの帯が3本の後期型。通称 スリーバンド。フィート表記。最小絞りはf9。六角絞り。ノンコート。
トロニエ博士の設計による、戦前のライツを代表する大口径レンズ。絞り開放付近はかなり柔らかく、濃厚なオールド感あふれる描写をお楽しみ頂けます。
シュナイダー社による製造で、約6000本と多くは無い生産本数です。ツァイス・イコンのゾナーへの対抗馬でもあったようで、当時はかなり高価なレンズだったようです。
適合純正フードは折り畳み式のXIOOMですが、ズマリット用XOONSフードも装着可。フィルター径も同じ41mmです。
このライカクセノンは戦後ズマリットへと発展し、その後銘玉ズミルックスへ進化。ライカの名声を支え続けます。
鏡胴先端部や距離操作ノブ付近に擦れが少々見られますが、ライカクセノンとしては全体的にとても綺麗な外観です。
2024年10月にフルOH済。クセノンは絞り、ヘリコイドの操作感が重くなりがちなレンズですが、入念な整備により、大変滑らかな操作感に仕上がっています。距離計連動も良好です。
前玉に微細な拭きキズが見られますが、外観と見合ってクセノンとしては大変綺麗なガラスです。目立った傷やクモリは見られず、スカッと抜けたガラスです。
実写テスト結果も良好でした。絞り開放ではクセノンらしくかなりフワッとした描写ですが、f1.6、f2.2とわずかに絞り込むだけでまとまった像となってきます。
純正前後キャップ、稀少な元箱が付属します。