仏SOMベルチオ製望遠レンズ、テレ・オブジェクティフ 145mm f4.5。ノンコート。製造時期は1940年代前半と思われます。純正ライカLマウント。距離計連動。メートル表記。最短撮影距離は3m。重量は実測で349g。
レンズ構成は凸凹/凹凸を組み合わせた2群4枚。逆光には少々弱い印象です。軽いフレアを伴った淡さを感じさせ、コントラスト控えめの写りです。
鏡胴は仏パリのA.Garneau社が製造しており、基部に刻印があります。他のベルチオLマウント同様、このレンズの鏡胴にもかなりのバリエーションがあり、当時のベルチオのカタログにはLマウンドのキノ・プラズマート 75mmのような個体も掲載されています。
新品当時はピカピカだったと思われますが、現在は落ち着いた輝きのオールアルミ鏡胴。フレンチ・レンズらしいデザイン。内部構造は真鍮を用いており、無謀にも総アルミでヘリコイドまで作ってしまうアンジェ〇ューよりもしっかりしています。
いずれも軽微ですが使用に伴う擦れ傷や小傷、アルミの腐食が見られます。この手のフランス製レンズとしてはだいぶ良い方でしょう。
2024年10月にフルOH済。絞り、ヘリコイドは心地良いトルクを伴った操作感に仕上がっています。距離計連動は最短から無限遠までおおよそOKです。
前玉にごく軽微な拭き傷、後玉の裏には軽微なガラスのヤケが見られます。目立つような拭き傷やクモリも見られず、ベルチオ製レンズとしては上位のガラスコンディションでしょう。
同じくアルミ製で雰囲気の合った純正フードが付属します。
実写結果も良好でした。試写館に作例を掲載しました。ご覧頂ければ幸いです。