マクロ・キラー 40mm f3.5 E。2分の1倍まで接写が可能なマクロレンズ。最短撮影距離は約10cm(フィルム面からは約20cm)と、グイグイ寄れます。
1950年から1958年まで製造され、その後はf2.8へと引き継がれました。3群4枚構成のテッサータイプ。普通絞り。重量は実測で161gと軽量。リヒテンシュタイン公国製。
キルフィット社はミュンヘンに居を構えたレンズメーカー。タックスヘイブンとして知られるヨーロッパの小国、リヒテンシュタインにも工場があり、本品は首都Vaduzで製造された個体です。
キルフィット社の創立者Heinz Kilfitは、24x24判のロボットやメカフレックスの設計者としても知られています。
また、キルフィット社はマクロレンズでも有名で、アルパの他にはエキザクタやアリフレックスにも供給していました。途中で経営陣が変わり、社名はKAV(Kamerabau-Anstalt-Vaduz)、Heintz Kilfit、Kilfitt、Zoomarへと変遷をしたという複雑なヒストリーを持ちます。
絞りリングに一箇所の傷、基部周辺に使用に伴う擦れが見られる程度で、全体的に使用感少なく、なかなか綺麗な外観です。ヘリコイドリングのメッキの肌も美しい状態。
2024年10月にフルOHを行いました。絞り、ヘリコイドは実に程よいトルク感に調整されており、ついつい触ってしまう心地よさ。
中玉にごく浅い拭き傷が少々見られますが、クモリやカビは見られず、スカッと抜けたガラスコンディション。
純正のプラスチックケースは、後玉を差し込んで固定する部分が欠けてしまっています。そのため、ケース内でのレンズの固定が緩く、うっかり落下させないようにご注意ください。