5作目となるオールドレンズ愛好家必携の研究本。「オールドレンズ」の言葉を世に広めたoldlens.comの岡田祐二氏、及び上野由日路氏による共著。全277ページ。2024年発刊。
今回はフレンチ・レンズ特集。オールドレンズファン垂涎の仏三大メーカー、Angenieux、Kinoptik、SOM Berthiotをメインのヴィアンドに据えつつ、BoyerやFocaをデセール(デザート)に添えるという、濃密な仕上がり。
序章では「写真」がフランスに辿り着くまでの歴史を人物で追い、続いて写真以前のカメラ、世界初のカメラ用レンズの誕生、ライカ以前の仏製レンズの活用という70ページ近いプロローグ的内容から始まるところに、著者の探究心が表れています。
今回もレンズの基本データや開発背景、MTF図、ロンキーテスト画像、点光源よる観察などの検証情報がてんこ盛りです。
日々、カメラとレンズの仕入れや販売に追われるカメラ店スタッフでは勉強が追いつかず、今回もやはり理解が追いつきません(笑) でも何だかすごいことになっている、という事だけは直感的に分かります(笑)
途中途中で挟み込まれるマンガと、「ちょっと一休み」と題される記事がほどよくグラニテ的なお口直しとなっており、全巻を通して良いリズムで楽しめます。
また、巻末にはフランス製小型カメラに付属するレンズの一覧もあり、レンズマニアのみならず、カメラ好きが眺めても楽しい資料が盛りだくさん。
こちらのシリーズ、新作の発刊を重ねる毎に内容の深化を感じますが、今回の5作目では、著者の嗜好が全面に溢れ出ており、これまで以上にパワフルで濃厚な作品となっています。
レンズマニア、オールドレンズファン、レンズ沼の住人必携の一冊。
限定400冊、限定番号入り。著者の岡田祐二氏、上野由日路氏の直筆サイン入り。
送料・税込み11,000円。
店頭では10,000円にて販売しております。
*同時発売の「別冊 主要オールドレンズのレンズ構成」も是非ご覧ください。
*Shipping to Japan Only.