ライツの製品コードはXEMOO。製造番号37万台、1937年製のライツ・クセノン 5cm f1.5、前期型。
トロニエ博士の設計による、戦前のライツを代表する大口径レンズ。本品は初期のヘリコイド・リングのローレットが2本のタイプ、通称ツーバンド。六角絞り。5群7枚構成。ノンコート。最小絞りはf9。距離はmeter表記です。
シュナイダー社による製造で、約6000本と多くは無い生産本数です。ツァイス・イコンのゾナーへの対抗馬でもあったようで、当時はかなり高価なレンズだったようです。
このライカクセノンは戦後ズマリットへと発展し、その後銘玉ズミルックスへ進化し、ライカの名声を支え続けます。
当店販売品です。お客様に大切に使われ、この度当店に出戻ってきました。
鏡胴各部のエッジ部に真鍮地がうっすらと見えていますが、アタリや凹みは見られず、長年丁寧に使われて来た印象です。
2022年にフルOH済。クセノンは絞りリングやヘリコイドの動きが重くなりがちですが、丁寧な整備により現在も操作感大変良好。距離計連動もバッチリです。
レンズ前玉には、強力なLED光を当ててやっと見えるほどのヤケと薄い拭きキズ、また後玉にごく薄い擦れが僅かに見られますが、拭き傷だらけの個体ばかりライカクセノンとしては、かなりコンディションの良い一本。絞り開放からクセノンらしい繊細で軟らかい描写が楽しめます。逆光にはやや弱い戦前のノンコートレンズですが、アンダー目なシーンでは味のある描写を見せてくれました。
前回販売時の試写に作例を追加しました。撮影はフード未装着、絞り開放からf2.2、f4.5を織り交ぜて撮影しています。ご覧頂ければ幸いです。f2.2付近が最もおいしいところでしょう。
純正前キャップ付。