製造番号8千番台の1928年製のライカA型初期を、後年ライツにてDIIへと純正アップグレードした個体です。しかもセミクローム仕上げで、吊り環付きという通好みの仕様。
ライツ純正のアップグレード機は、ファクトリーコンバージョンとも呼ばれています。ライツから供給されたアップグレード専用のパーツが使われており、A型にそのまま通常のDIIやIIfのパーツが入るわけではありません。当時のライツの細やかなカスタマーケアが見て取れる一台でもあります。
クロームのパーツが装備されており、クローム仕上げのエルマーはもちろんのこと、ズマリット、固定鏡胴ズミクロンやズミルックスなどのライツの大口径レンズたちを付けてもバッチリ決まります。
指の触れる部分に自然なペイント落ちが見られます。各部のパーツはしっかりとオリジナル。シャッター速度ダイヤルの1/200にケガキ線が刻まれていますが、幸いにもそれほど目立ちません。
2025年4月にOH済み。各部の動作スムーズに仕上がっています。ファインダーの見え味もクリアー。二重像のコントラストもしっかりしています。
A型純正改造、4桁シリアル、セミクローム仕上げ、吊り環付きと、一風変わった個性的なDIIとしても楽しい一台です。