ガンマ III、イタリア空軍バージョン。トップカバーにR.Aeronauticaの刻印有。III型は1950〜51年の製造。
ガンマはスタイル最高、大変ユニークな機構を持つ、イタリア製のライカ・コピー機ですが、部品精度に問題があり、まともに動く個体は殆ど見られないのが残念です。
本品はライカ・スクリューマウントとなった、ガンマ最終モデルのIII型。ちなみにガンマ I型は独自のバヨネットマウント、II型はスロー無しのライカ・スクリューマウント。このIII型は、ライカLマウントはそのままにスローシャッターが付きました。ガンマの製造台数は、I型〜III型合計で2000台少々と言われており、そのうちIII型は800〜1000台程度の製造です。
ガンマ用の交換レンズには、Koristka Victor 55mm、Officine GalileoやSom Berthiot、Angenieuxの50mmや90mmレンズ等が用意されていました。
ダブルマガジン式(パトローネ使用可能)で、巻戻しノブがありません。底蓋はローライ 35やコンタックス I型、フォクトレンダーのヴィテッサなどと同じく、背面部がそのまま外れるタイプです。また、巻戻しが出来ないので、撮影終了後はフィルムカッターでフィルムをカットします。
シャッター幕は金属製でラウンド形状。距離計コロはマウント下部にありますが、ライカLマウント互換で、様々なレンズが楽しめます。
形はライカと似ますが、古今東西数多あるライカコピーの何れとも似ていない、イタリアらしさが溢れるカメラです。珍品。
底蓋にごく薄い擦れが数本見られますが、他はかなり綺麗な外観です。2024年4月にOH済。修理が大変なカメラとして知られていますが、現在快調に作動しています!ただし、部品精度の問題からライカや国産ライカコピー機ほどの信頼性はありませんので、バンバン実用するには向きません。
メカ好きにはたまらないカメラ。付属のマガジンは汎用品です。